【添加物】ハム・ソーセージは危険?子供に食べさせてはいけないの?

ソーセージ 加工肉 添加物

ハムやソーセージなどの加工肉は、
添加物がたくさん入っているから
子供に食べさせてはいけない!
というようなお話を聞いたことはありませんか?
これってほんと?って思いますよね。

あと、最近スーパーに行くと
ハムやソーセージで

「無塩せき」

と書かれたものも並んでいますよね。
なんとなく「体にいいのかな」と思うものの
その意味がわかる人は少ないと思います。


このお話の根元になっている添加物は

「亜硝酸ナトリウム」

という化学物質です。
(亜硝酸塩と表記されることもあります)
なんとなく聞いたことありますか?
聞いたことある方は、
こんなイメージがあると思います。
亜硝酸ナトリウム=悪の根源
私も、正直そう思っていました!

ソーセージ
グリル
Karl Allen LugmayerによるPixabayからの画像

ではなぜ、そんな亜硝酸ナトリウムが
悪の根源になってしまったのか。


【添加物】亜硝酸ナトリウムはガンの元?

この亜硝酸ナトリウムは、40年ほど前の研究で、

「動物性タンパク質のジメチルアミンと反応して、
ジメチルニトロアミンという発がん性物質を生成するから危険だ」

と発表されたんです。
確かにこんな話を聞くと、誰でも

「ハムやソーセージを食べると、ガンになるのでは?」

と思ってしまいますよね。

食べ物でガンになるなんて怖すぎる!

そもそも、「亜硝酸ナトリウム」は
なぜハムやソーセージに使われているんでしょうか?

ハムソーセージ
congerdesignによるPixabayからの画像

【添加物】亜硝酸ナトリウムはなぜ必要なの?

ハムやソーセージに
亜硝酸ナトリウムが使われるのは
いくつかの理由があります。

一つ目の役目は発色!
亜硝酸ナトリウムを添加していないと
ソーセージの色は
茶色くなってしまいます。
「美味しそう〜」
と思わせる色にするために
入っているんですね。

そして、2つ目は

ボツリヌス細菌による食中毒

を防ぐためです。
「亜硝酸ナトリウム」ができる前、

ボツリヌス細菌は地球上最強の毒!!

と恐れられていたそうです。
サリンの数千倍とも言われていました。
もはや細菌の域ではなく、
かなりの猛毒ですよね?
怖すぎる!

このボツリヌス細菌は、
生の肉や、十分殺菌されていない加工肉に
たくさんいました。
ヨーロッパでは、ハムやソーセージなどの薫製肉は
大切な保存食として重宝されていました。
だからヨーロッパでも古くから
ハムソーセージは危ない!!と言われていたそうです。
このヨーロッパのボツリヌス細菌への恐怖は
19世紀まで続いたと言われています。

でも、ここに救世主が現れます。
ボツリヌス最近を完全に抑え込むものが
わかったんです。

ちなみにボツリヌス菌は絶対嫌気性生物(増殖に酸素を必要としない生物で、多くは細菌)で、摂氏120度にも耐えることができるので、レトルト真空パックで加熱処理しても増殖してしまうやっかいな細菌です。この恐ろしい細菌をほぼ100%抑えることができる防腐剤こそが『亜硝酸ナトリウム』だったのです。

芳川充著 「食品の迷信」 ポプラ社

亜硝酸ナトリウムは、猛毒から私たちを救ってくれる。
それならば添加しようじゃないか。
となったわけですね。

大抵の防腐剤などの添加物は、
色や見た目をよくするというよりは
やはり、安心安全にするために使われています。
そして、それはきちんと管理されているんです。

ソーセージ トマト ハムのグリル
目玉焼き
Shutterbug75によるPixabayからの画像

【添加物】私たちは日常的に亜硝酸ナトリウムを摂取している!

亜硝酸ナトリウムが怖い!という
イメージがある人が知らない事実として

私たちが日常的に摂取する

野菜にも「亜硝酸ナトリウム」は、
含まれています!

ほうれん草やゴボウ、白菜にも、

「亜硝酸ナトリウム」が含まれているんです

次に示すのは、主な野菜に硝酸塩がどれだけ含まれているかを調べたデータです。硝酸と亜硝酸は相互に変換するので、同じように考えてかまいません。
ホウレンソウ 3560+-552 (単位はmg/kg)
キャベツ    435+-215
キュウリ    384+-0.8
ハクサイ   1040+-289
ナス      387+- 47
ゴボウ    2350+-438
もちろん化学肥料の使用状態によってこの数値は動きます。亜硝酸ナトリウムをハムに使用する基準は最大でも1キログラムあたり70ミリグラムですから、野菜に含まれる量のほうが遙かに多いのがわかります。

芳川充著 「食品の迷信」 ポプラ社

ちなみに、ハムに使用される基準は
1kgあたり70mgと決められています。
つまり
ハムやソーセージから摂取する量は、
ごくわずかで、
私たちは知らないうちにその何倍もの「亜硝酸ナトリウム」を
野菜から摂取しているわけです。

「無塩せき」と書かれた加工肉には、
野菜を利用した
天然由来の「亜硝酸ナトリウム」が
用いられている場合がほとんどです。

それは添加物としての
「亜硝酸ナトリウム」と
なんら変わりがありません。

全ての化学物質は、
天然由来でも、
人工的なものでも
体の中に入ってからは
全く同じ作用をするのです。

これも意外と知られていない
事実ですよね。

パン サラミ ソーセージ
congerdesignによるPixabayからの画像

【添加物】化学物質は怖くない!

化学物質というと、
なんとなく怖いと思ってしまいますが、
全ての食品は化学物質で作られています。

イチゴに含まれる化学物質は200種類以上

とされているんです。
では野菜や果物も危険だ!と思いますか?

野菜 新鮮
Lubos HouskaによるPixabayからの画像

そして、亜硝酸ナトリウムの
発がん性物質の生成は、
特定の物質があれば
阻害されることがわかっています。

昭和53年の論文に、
こんな記載があります

亜硝酸ナトリウムは、反応初期にLアスコルビン酸により還元分解をうけ速やかに減少消失する

「Lアスコルビン酸と亜硝酸塩との反応について」日本家政学会誌1979

だから、食品メーカーは、
ハムやソーセージなどに

アスコルビン酸であるビタミンCなどを必ず加えているんです。

世界的機関であるFAO/WHOの
合同食品添加物専門家会合(JECFA)は、

『硝酸塩の摂取と
発ガンリスクとの間に
関連性があるという証拠はない』

と指摘しています!

何度でも言います!
言わせてください!

全ての毒性は量で決まります。

ハムやソーセージを
むやみに怖がる必要はありませんが、
必要以上に摂るのはお勧めしません。

沢山の食品に溢れて生活をする私たちが、
気をつけるべきことは
ただ1つ!!
だと私は思っています。

1つのものを過剰に摂取するというのが
様々なリスクを高めます。

「これにハマってて〜」
「3食これでもいい!」
という話をよく聞きますが、
1つの食品を尋常じゃない量摂取する
というのはお勧めできません。

バランスよく、
いろんな味の「美味しい」を、
家族で笑顔で楽しむことが、

子供たちの心身の健康に繋がると確信しています。