「食べ物で性格が変わりますか?」
これも良く聞かれる質問です。
確かに、雑誌の記事や本などでも、
「食べ物で性格が変わる!」
といった内容のものがありますよね。
私が色々な論文を読んで、思う結論は
「影響がないとは言い切れないけど、
大きい影響ではない」ということです。
食事内容や食習慣についての
研究というのは、
環境を無視したものが多いんです。
何を食べているか、という調査と、
調べたい事柄のアンケート結果を
結びつけているものがほとんどです。
研究のデータ結果が全て
食に原因があるとは思えません。
そこに本当に因果関係があるのか
もしかすると全く別の原因や
さまざまな要因が重なって
結果に結びついているのかもしれません。
なので、研究結果を
むやみに信じてしまうのも
危険だなと思っています。
![女の子 走る 原っぱ 青空](https://seikoazuma.com/wp-content/uploads/2022/04/23723326_s.jpg)
野菜と糖分の摂取量と性格
例えば、食と性格に関して
こんな研究があります。
全国13県の小中学生、
1県あたり1200人の子供を
対象にしたもので、
野菜摂取量と糖分摂取量と
性格や体質のデータを
分析したものです。
その論文によると、
糖分摂取量が少ない子には
「やる気が多い」「優しい」
子供が多く、
糖分摂取量が多い子には
「飽きっぽい」「自分勝手」
「イライラする」子が多いとあります。
また、野菜摂取量が少ない子には
「わがまま」「ケンカっ早い」
「飽きっぽい」子が多く、
野菜摂取量が多い子には「がまん強い」
「努力家」が多いとあります。
これだけ見ると、
食べ物は制限しないと
性格に大きく影響がある!
と捉えてしまいますよね。
でも、さらに読み進めると
こんな記述もあります。
(糖分摂取大・野菜摂取大)と(糖分摂取小・野菜摂取大)が同じ傾向を示し、しかも(糖分摂取大・野菜摂取小)だけが悪い影響を示す傾向にある
「食品及び食習慣の子供の健康に及ぼす影響に関する調査」2002
これを見るといかがでしょうか?
糖分と野菜をどちらも
沢山食べた子と
糖分が少なく、野菜を沢山食べた子は
問題なくて
糖分が多くて、
野菜が少ない子には悪い傾向がある
ということです。要するに
糖分をとっても、
その分野菜も充分とれていれば問題ないということですね。
![女の子 お母さん 歩く 並木](https://seikoazuma.com/wp-content/uploads/2022/04/1175507_s.jpg)
食べ物でこどもの性格は決まらない
私は、子供の性格に最も大きく影響する
のは、やはり環境だと考えています。
毎回同じ話になってしまいますが、
「何を食べるか」よりも
「誰とどんな雰囲気で食べるか」
の方が、よっぽど子供の性格に
影響すると思っています。
どれだけ栄養バランスが
整った食事でも、
楽しく雰囲気で食べられなければ、
その子のメンタルには
確実に悪影響だと思うのです。
どんな食品も、どんな栄養素も、
過剰摂取は体に良くありません。
偏った食事を続ければ、
どんな健康な人でも不健康になります。
子供を健やかに、前向きに、
育てたいという願いであれば、
何を食べさせるかということより、
どう接するかを考えることを
おすすめします。
今回ご紹介した論文の通り、
食べ物と性格は全く関係ないとは言い切れません。
![園児 お弁当 男の子 女の子 保育士](https://seikoazuma.com/wp-content/uploads/2022/04/22304935_s.jpg)
カルシウムが不足すれば
イライラするとか
鉄分が不足すればフラフラするとか
食べ物と体調は少なからず
繋がっているのは
皆様もお分かりですよね。
ですが性格は、食べるものだけで形成される訳ではないですし、その影響は大きくはないと思います。
性格や学力への影響という視点で、
食べ物を考えるのはナンセンスだと私は考えています。
コメントを残す